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内定ブルーのまま、エンジニアリング業界大手企業に新卒入社し、その後コンサル業界に転職した社会人のインサイト

「インサイト」とは、顧客やターゲットの行動の根底にある、時には本人さえも気付いていない動機・本音のことです。

大勢を対象にしたアンケートなどによって得られる定量的なデータとは異なり、個別の取材などを通して潜在的な本音を探った定性的なデータは、ターゲットの心理や購買動機を深く知るために活用できます。

これは採用市場においても同じで、社会人や転職者の心理を知ることは採用活動や採用ブランディングの大きな手助けとなるでしょう。

しかし、ターゲットとなりうる社会人とめぐり合うことは難しく、またそのような社会人からしっかりとヒアリングする時間を取ることが難しい場合が多いのではないでしょうか。

そういった悩みを解決すべく、Brandgeでは一人の社会人を徹底的にフォーカスしたインサイト記事をご提供します。(※あくまで社会人全体ではなく、個人に対するインタビューの結果ですので、情報の取捨選択にはご注意ください。)

現在、社会人3年目にキャリア観や学生時代の経験についてインタビューしました。

対象者の属性紹介

今回の調査に協力してくれた社会人の方について簡単にご紹介します。

社会人3年目。大学は早慶で学生時代には学生団体の活動を通してアジア系の国へボランティア活動をしたり、3年生時には大学の交換留学でアメリカで1年間過ごす。心理学や一般教養など幅広く学び、幼少期から海外で働ける人材になるようにと母からの想いもありエンジニアリング業界へ就職。ただ地方での現場経験が長くなり、人事面談で海外に行くのにあと5年かかると言われて、改めて自分の人生を見つめ直し、コンサル業界へ転職。

企業を選択する基準

ではさっそくインタビュー内容をご紹介していきます。今回は大きく分けて二つ、キャリア選択の基準についてとインターンシップについて答えてもらいました。

 Question1  

なぜ1社目を選んだのか

振り返って思うと新卒の時は、ただ漠然と海外に行ける企業を探していた」

幼少期から母親からも海外で働ける人材になってほしいと言われて育った彼女は、大学時代にはアメリカで1年間交換留学を経験し、就職活動でも海外で働ける業界を探して面接を受けていた。

実際に選考を受けた企業も商社、メーカー、エンジニアリングなど大手思考で海外へ進出している企業ばかりだ。

「やりたいことはぼんやりとしていてなかったけど、世界を飛び回る人になってほしいという風に言われて育ったので、いつの間にかそれが自分のやりたいことに少しずつ変わっていた」

ただ新卒の時点では海外就職であったり、いきなり現地へ出張というよりは、ある程度のビジネス経験も積んでから海外で働きたいという想いもあり、研修制度の整っているであろう大企業への就職を考えたという。

残念ながら第一希望の商社にはご縁がなく、エンジニアリング業界へと就職する。

大手企業に就職して、何を感じたのか

 Question3  

大手企業ならではの入社して良かったこと

「入社して良かったと感じたことはほとんどない。けれどそれは自分が原因だと思う。」

少し考えた彼女は正直に話してくれた。そう話す理由は新卒の時の就職活動の時の決め方にあるみたいだ。

学生時代の留学の経験から海外で働くことを軸に就職活動をしていたが、内定をもらってから自分の人生をより考えるようになったという。

本当に海外に行きたいのか、そのためにはこの企業に入社することがベストな手段なのか。悶々としながらも内定を受諾し、自分のやりたいことも明確でないまま就職する流れとなった。彼女はその後転職をするのだが、内定者時代から退職するその日まで、在籍していた企業のことをずっと好きではなかったという。

自分自身やりたいことに対して向き合いきれず、考え抜くことができていなかった。中途半端な気持ちだったからこそ仕事にも身が入らなかったのかもしれない。」

と彼女は正直に話してくれた。

入社後は地方での現場経験を積むことになり、自分の専門外の知識や思考が必要となる業務で非常に苦労したが、

「現場の人たちと仲良くなって、自分がこれまで見てきた正解とは違う世界を見ることができたと思った。人としての経験値があがり、成長することができたと感じる」

と話していた。

 Question4  

大手企業に入って感じた悩みや課題とは?

入社してしばらくしてから設備のある現場へと配属される。材木を活用した設計や寸法を測ったり、自分の専門ではない専門書を読む日々が続き、このままでいいのかと自分に問い、上司へ相談。現場での期間は短くなったが次に配属されたのは財務の部署だった。日々Excelとひたすら向き合う日常は、人と会話することでプロジェクトを進めたいと考えていた彼女の働き方とは全く異なるものだった。

やはり海外で働きたいという想いが強くなった彼女は、社会人2年目の評価面談時にいつ海外に行くことができるのかと上司と話した。

「5年間は辛抱。」

彼女自身、海外で働きたいという想いは強くあったが、同時に自分のキャリアが財務畑にはなりたくはないという気持ちもあった。

「仕事をする中でやっぱり自分は人と接する方が自分の肌に合うんだなと感じてるようになった」

「就職活動を通して、漠然とした”海外に行きたい”という目的と手段が入違ってしまっていた」

彼女は振り返ってそう感じたという。

転職の決め手と選んだ道を正解にするために

 Question4  

(新卒の時と比較して)次はどんな会社選びの軸になるのか?2社目を最終的に選択した理由は何か

転職エージェントや転職経験のある知人と話をしながら転職活動をスタートするのだが、やりたいことも決まっていない状態だったという。

転職活動でも新卒の時と同じで、海外寄りで見ていたという。
大手エージェントのキャリアアドバイザーと話す中で、

「○○さんの話を聞いていると、人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきたいという想いがある」

という風に言っていただき、またやりたいことも明確に定まっていなかったからこそ、”一旦”コンサルを受けてみるという流れになったという。

コンサルを検討した理由は、「プロジェクトごとに色んなジョブを受け、様々な経験できるから。やりたいことが明確ではない自分はまずは色々な経験を積むことができる業務に携わりたかった

と話してくれた。

彼女は転職活動で初めて選考を受けた1社目でそのまま内定が出て、そのまま最初に内定が出たコンサルに入社することを決意した。

 Question4  

今後はどんなキャリアを歩んでいきたいか?

転職してからすでに4つ目のプロジェクトでPMOの経験がある彼女に、今後のキャリアについて質問してみた。

年末年始に時間があったため読書をした際に自分の中で腑に落ちる言葉があったという。

「自分はこれまで心理学とか海外とか成長などの漠然とした概念にとらわれていた。そうではなくて、自分自身が興味のある、夢中になれる「テーマ」を探すことが今の目標」

そう語る彼女は、今後もキャリアを決めきるのではなくて、まずはコンサルティングを通じて様々なプロジェクトに参画して、幅広い経験を積みたいという。

「プロジェクトに向き合う過程で自分の中で「これだ!」と思うものがあれば、次また挑戦したいと思う」

「すでに4つめのプロジェクトに参画していて幅広い経験を積むことができているコンサルティング業界を選んでよかった。プロジェクトが変わるごとに顧客や取り巻く業界も異なり、求められる知識やスキルも異なる。だからこそしっかり力をつけて成長していきたい」

まとめ

転職を経験した社会人3年目の生の声を聞いて、どう感じましたか?

もし私が彼女の1社目の人事責任者の立場だとしたならば、どのように対応するかを考えてみました。

彼女自身が海外への異動を希望しており、どのタイミングで挑戦できるのか、ということを気にしていました。

そのため、2つのことを面談で話したいと考えました。

1つめは、会社全体の中で海外に配属された社員のパターンをいくつかデータとして伝えること。

「5年後なら海外に行ける」「あと3年の辛抱だ」

これらはすべて感想や個人の意見になってしまうので、実際のデータとして、

・社内で最短で海外の部署に異動した人はどのような人か
・そのためにどのような成果を残していたのか(どこが評価されたのか)
・どのようなスキルを持ち合わせていたのか
・またどのような部署で海外へ駐在したのか

いくつか事例とともにお伝えしたいと思いました。

実際に海外駐在になった社員の事例を紹介することで、必要な時間やスキルなどどのように評価されているのかを理解することができるからです。とはいえ、大手企業で何千人、何万人と従業員を抱えている組織の場合、配属・配置にはすべての個人の意志が反映されにくいこと、成果を残している社員の方が配属時に有利であることなどの、配属のリアルをちゃんとお伝えしたいと思います。

2つめは、彼女の想いは海外に行くことで果たされるのか?ということを一緒に深堀すること。

会社としてすべての人の望みを叶えることはできません。ただ目の前の社員を大事にしたいですし、一緒の仲間のキャリアについても真剣に考えたいと思っているかと思います。

そのため、彼女の場合だと、必ずしも”海外駐在”することでしか、彼女の願いが叶えられないのか?ということを考え抜きたいと思います。

海外の人とコミュニケーションを取りたい、ということであれば、日々電話やメールでグローバルにやり取りが行われる国内拠点の海外事業に配属されたとしても彼女の想いは叶えられます。

また、彼女の場合のように、海外に行きたいという目的がいつのまにか手段となってしまっていた、ということも大いにあるかと思います。

なぜ彼女が海外に行きたいのか、海外に行き何を達成したいのかを言うことを言語化できるような面談の時間にします。

配属は人事にとっての最大の戦略だと思いますので単純な気持ちだけではなく、より大事なことは、経営としてちゃんと利益を生み出す可能性があるのか、その社員が配属後に何を達成したいのか、どのように貢献したいと思っているのか。自分自身の強みをどのように活かしたいと考えているのか。

上記について徹底的に考え抜き、戦略的に配置すべきだと考えました。

 

 

今回インタビューを受けてくれた方のように、

「自分自身やりたいことが明確ではない、見つかっていない」

「内定をもらったものの、どの企業に入ればいいのかわからない」

そのような状態で内定式を迎えたり、入社式に臨む学生もやはり一定数はいるのだと感じました。内定ブルーなどと呼ばれるもので、実際に内定者時代から、入社してからもやもやしながら、納得感のないまま仕事をしている社会人も存在するのだと思います。

大企業だから安泰、という時代は終わりに差し掛かり、その結果、自分で切り開くことのできる道は大きく広がった。だからこそ、選択肢が広いからこそ自分自身で決断することがさらに難しくなっているのではないでしょうか。

だからこそ、キャリアにおいては正解を選ぼうとするのではなく、

自分の意志で決めること。

選んだ選択を正解にしていくこと

また、今の時代、転職することも当たり前の世の中になってきました。

1社目で自分の感覚と違うなと思うことがあれば、我慢して企業に残るという選択肢のほかにも、転職活動を通じて自分に合う会社を見つけてみる、エージェントや転職経験者の話を一度聞きに行ってみる、知人と一緒に起業をする、現職にとどまりながら副業をはじめてみる、など、さまざまな方法で働き方を見つけることができれば、一人でも多くの人が自分らしく生きることができるのではないかと感じました。

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