新卒紹介は、紹介会社を通して学生に直接アプローチすることができる手法のため、母集団形成がうまくいっていない企業でも利用しやすい方法です。
一方で、学生一人当たりのコストが高くかかるなどの注意点もあるため、利用の際はメリット・デメリットを踏まえて、検討するようにしましょう。
本記事では新卒紹介のメリット・デメリットに加え、利用時のポイント・それぞれのエージェントの特徴を解説します。
新卒紹介の利用を検討している方は、参考にしていただけると幸いです。
新卒紹介とは
新卒紹介とは新卒紹介とは、紹介会社に登録している学生の中から、自社に合った人材を直接紹介してもらえるサービスのことです。
エージェントは面談などを通して学生の指向性を理解した上で紹介してくれるため、自社に合った人材を探す工数を削減することができます。
サービス利用の基本的な流れは以下です。
・利用するエージェントを選ぶ
・エージェントに採用したい学生像を伝える
・自社に合った学生を紹介してもらう
・選考を行う
・内定承諾となった場合、報酬が発生する
新卒紹介の多くは、「成果報酬型」の料金体系を採用しています。
契約時点ではなく、学生が内定を承諾、あるいは入社が確定した時点で報酬が発生するため、初めての新卒採用の場合も安心できる方法と言えるでしょう。
料金相場は、紹介会社によっても異なりますが1人あたり100万円ほどとなっています。また、同じ紹介会社でも、候補者の大学群や文理などによって、異なる単価が設定されていることが多いです。
紹介会社によって登録している学生の特徴やサービス内容が異なるため、料金だけでなくこれらの要素も合わせて利用するサービスを決定しましょう。
新卒紹介を利用するメリット
次に、新卒紹介のメリット・デメリットをご紹介します。
新卒紹介の利用を考えている方は、メリット・デメリットを比較した上で利用を検討すると良いでしょう。
主なメリットは以下の4つです。
・自社を知らない学生にアプローチできる
・エージェントを介した学生とのコミュニケーションが可能
・工数が削減できる
・ピンポイントの採用が可能
・成果報酬型である
自社を知らない学生にアプローチできる
自社サイトや就活サイトへの掲載の場合、企業の名前が知られていないと応募が集まりづらくなってしまいます。
新卒紹介の場合は、エージェントが学生一人ひとりに合った企業を直接紹介してくれるため、自社を知らなかった学生にもアプローチできます。
エージェントから直接紹介してもらうことで、学生が会社を知り、興味を持つきっかけにもなります。
新卒採用を始めたばかりの場合や、母集団形成がうまくいっていないケースでも利用しやすい手法と言えるでしょう。
エージェントを介した学生とのコミュニケーションが可能
新卒紹介サービスを利用すると、第三者を通して、客観的に学生に自社の魅力を伝えてもらうことができます。そのため、より正確な情報を得たいと考えている学生からも、情報に対する信頼感を持ってもらいやすくなります。
また、エージェントを介してコミュニケーションを取ることにより、学生の会社に対する印象について、より率直なフィードバックを受けることができます。学生の感触をリアルに知りたい場合にも適した手段であると言えるでしょう。
工数が削減できる
新卒紹介では、エージェントが自社にマッチした人材を選んでくれるため、説明会やイベントを行う場合と比べて自社に合った人材を探すための工数を削減できます。
また新卒紹介では、応募者管理、選考日程調整、内定後フォローなどのさまざまな業務の一部を、エージェントが行ってくれる場合があり、学生とのコミュニケーションにより時間をかけることが可能になります。
ピンポイントの採用が可能
新卒紹介では、職種ごとにマッチした人材を選んでもらうことが可能です。
「エンジニア職が不足している」「理系の学生を採用したい」などのピンポイントの要望に答えることができるため、部分的に新卒紹介サービスを取り入れるのも良いでしょう。
また、内定辞退などで人材が不足した場合にも、新卒紹介を利用すれば比較的迅速に学生を確保することができます。
成果報酬型で効率的に予算が使える
新卒紹介は基本的に成果報酬型の料金体系を採用しています。
内定承諾や入社が確定した時点で料金が発生するため、「コストをかけたにもかかわらず失敗する」というリスクが低い方法です。
新卒紹介を利用するデメリット
新卒紹介を利用するデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・費用が高くつく
・利用人数が少なく母集団が限られる
・自社の採用力が磨かれない場合がある
費用が高くつく
新卒紹介は成功報酬型の料金体系であるため、コストに関するリスクは低くなります。
しかしながら、一人採用するごとに100万円前後の報酬が必要となるため、自社で採用する場合に比べて全体のコストが高くなりがちです。
一部の職種のみ新卒紹介を利用する、安定して採用できるようになるまで新卒紹介を利用するなどして、新卒紹介だけに頼らず自社での採用力を高めることも必要でしょう。
利用人数が少なく母集団が限られる
新卒紹介では、就職サイトに掲載する場合などに比べて、アプローチできる学生の数は少なくなってしまいます。
株式会社アイデムの調査によると、新卒紹介について「知っている」と回答した学生は69.4%で、「利用経験あり」と回答した学生は46.1%となっています。
就職活動をする学生の8割以上が利用する就職サイトと比べると、母集団の数が限られてしまうという特徴があります。
自社の採用力が磨かれない場合がある
新卒紹介に頼り続けてしまうと、自社の採用ノウハウが蓄積されない場合があります。
新卒紹介を利用しながらも、学生は自社のどのような点に魅力を感じるのか、どのような学生を対象にするべきなのかなど感触を確かめ、ノウハウを蓄積していくことが大切です。
新卒紹介は採用をスタートしたばかりの会社にとっては頼もしいサービスです。いつか自社の力で採用を目指したい場合は、新卒紹介を利用しながら情報を蓄積できるようにしましょう。
関連記事:新卒採用を始めて行う会社で注意したいことやおすすめの手法を解説!
新卒紹介を利用する際のポイント
新卒紹介を利用する場合のポイントは以下です。
・欲しい人材の要件を明確にする
・紹介会社の得意分野を知る
・他の方法と比較して適切な予算を割く
・自社の魅力を明確にする
欲しい人材の要件を明確にする
エージェントがマッチする学生を選びやすいよう、どのような人物を採用したいのか明確に伝えましょう。
所属学部や学歴、資格などだけでなく、社内で活躍している社員に共通する特徴を洗い出すことで、より精度の高い採用が可能になるでしょう。
また、エージェントに伝える際は「〇〇社に新卒で入る学生のようなイメージ」と採用市場に合わせた伝え方をすると伝わりやすい場合もあります。
関連記事:【新卒採用】最適な人材獲得のための選考基準のつくり方を解説!
自社の魅力を明確にする
欲しい人材の要件に加え、自社の魅力もエージェントに伝えるようにしましょう。
エージェントを利用する場合、ジョブディスクリプションやレジュメなどの書類やメールが、主たる学生への告知内容となります。
自社の魅力をしっかりと言語化した上で、文言を変更しながらPDCAを回していくことが大切です。
紹介サービスを利用する中で学生の感触を見ながら、またエージェントと相談しながら訴求するポイントを決めていくのも良いでしょう。
他の方法と比較して適切な予算を割く
先に説明したように、新卒紹介のみを利用した採用では、コストが高くかかってしまうことに加え、自社での採用ノウハウが育ちにくくなってしまうことがあります。
そこで、就職サイトや合同説明会、自社サイトなど他の方法を組み合わせて母集団形成や採用活動を進めていくことが大切です。
新卒紹介ではピンポイントの採用が可能である点がメリットとしてあげられるため、
・SE職が不足しているので採用したい
・海外営業職を採用したいので英語力のある学生に出会いたい
・内定辞退による不足分をスピーディに採用したい
・今後関西に進出予定のため関西圏の学生にアプローチしたい
など目的を明確に絞って利用すると良いでしょう。
紹介会社の得意分野を知る
紹介会社によって登録している学生の特徴や得意とする分野が異なります。
そのため、各紹介会社の特徴を知り、自社に合った紹介会社を利用するようにしましょう。
次に紹介するサービスごとの特徴も参考にしてみてください。
新卒紹介サービス6選
ここでは6つの紹介会社について、その特徴を紹介します。
マイナビ新卒紹介
サイト:https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/corp/
62万人以上の登録者数(2021年卒学生・2020年11月時点)を誇るサービス。新卒紹介サービスの中ではかなり幅広い層の学生にアプローチすることが可能です。
また、選考案内、日程調整、結果連絡などを代行してもらえるため、工数を削減して学生と会う時間にリソースをかけることができます。報酬は内定承諾時に発生します。
リクナビ就職エージェント
サイト:https://hr-services.recruit.co.jp/new_graduates/rikunabi-agent/content/
文系・理系や学部などでターゲットを絞ることが可能です。また、体育会系や留学生といったセグメントもでき、自社に合った学生を探すことができます。
学生の就職活動に寄り添うキャリアアドバイザーと、採用課題に寄り添うリクルーティングアドバイザーが連携することで、自社に合った人材を紹介してくれます。
また、日程調整や合否連絡の代行に加え、選考プロセスの改善も提案してもらうことができます。
DODA新卒紹介サービス
サイト:https://www.benesse-i-career.co.jp/company/
学力や文理区分だけでなく指向性や人物からもスクリーニングが可能。
内定承諾後、文系90万円・理系100万円(税別)の報酬が発生。内定承諾者が入社辞退した場合や、採用取り消しが発生した場合、報酬は返還されるシステムです。
また、DODAキャンパスという新卒オファーのサービスもあり、ダイレクトリクルーティングにより自社を知らない学生にアプローチすることも可能です。
career ticket
サイト:https://careerticket.jp/partner/lp/100aa/00/00/00/
13万人以上の学生が登録しているため、十分な数の学生に出会うことができます。また、career ticketでは紹介の精度にこだわっており学生との面談にも注力しているため、紹介後の内定率は15.3%と、6人に会えば一人は採用できる数字となっています。
他社同様内定承諾時点で報酬が発生します。
就職エージェントneo
サイト:https://www.neo-career.co.jp/service/sa_B
18万人以上の学生が登録しているサービスで、自社に合った人材を見つけ出すことができます。
成功報酬型で文系:100万円/1人・理系:110万円/1人が発生し、内定辞退の場合は全額、入社後1か月以内の退職の場合は料金の50%の返金があるシステムです。
neo careerでは、外国人留学生紹介、理系学生紹介など学生の属性にそれぞれ特化した紹介サービスがあることが特徴です。
また、イベントへの送客サービスもあり、自社の状況に合わせてサービスを選ぶことができます。
JOBRASS新卒紹介
サイト:https://jobrass.com/agent/
登録学生数は約7万人で、学生の4割が上位校という特徴があります。学生との面談を通して思考性を見極めた上で紹介してもらえるため、自社にマッチした人材に会うことができます。
また、新卒紹介とは別に学生のプロフィールを見てオファーを送ることのできる、逆求人サイトも運営しており、必要に応じて使い分けが可能です。
バリ活
サイト:https://www.barikatsu.com/contact_us/
バリ活はベンチャー企業に特化した新卒紹介サービスです。成功報酬型で、内定承諾時に一人当たり90万円の報酬が発生します。
ベンチャー志向の関関同立学生が多いことが特徴です。
まとめ
新卒紹介のメリット・デメリットと利用する際の注意点を紹介しました。
新卒紹介には、自社に合った人材に出会える、採用工数が削減できるというメリットがある一方で、頼りすぎてしまうと自社の採用力を磨くことができないなどのデメリットもあります。
ピンポイントで学生を探すことができる点やスピーディに採用を進められる点は他のサービスにはないメリットなので、自社の採用課題から考えて必要な箇所でピンポイント利用するのがおすすめです。
また、新卒紹介を利用しながら自社での採用力を高めていくことも重要です。
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